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作り続ける選択

  • 執筆者の写真: Shiori SHIMOMURA
    Shiori SHIMOMURA
  • 2019年2月14日
  • 読了時間: 4分

なぜ、服を買い続けるのか?って言われると、

ちょっと…ていうか、かなり前は、単に服を買って着ることが

本当に本当に、服が好きで堪らない!ってことが、理由のひとつだったんじゃないかな?と思います。

若い頃は、特に自分の好きなものを着ていれば、からだに合わない部分も気にならないものです。

でも、ここのところは、持っているものにどこか気に入らないという、大きな理由があるから、

それを解決してくれる1着を求めて、満たされたいと思うのだろうけれど、

大抵、気に入らないというところにはデザインではなく、着心地が悪いとか、サイズが合わないとか、

他にも言えば、自身のからだが変わったとか、そういう問題が大きいなと思っています。

逆に自分にハマった服は、平気で10年以上、ボロボロになっても着ているという矛盾(笑)

今は価値が多様化しているので、長く着ていられる衣服の全てが価値のあるものと言えるのか、

指先1本でお買い物ができる時代に、そもそも長く着ようと思っていない、という気持ちもわかります。

衣服を着ない人生なんてないんだから、好きなものを着て、好きに生きるしかないというのが極論。

それでは、今、服を作ることの意味はなんだろうなと思う時があります。

一応、このウェブサイトには、作る意味でのコンセプトも掲載しています。 「ファッションをダンスライフにつなげる」

これは作り始めてから1年くらいして、ウェブサイトを開設する際に後付けで考えたものです。

私にとっての服を作る意味は、この活動を始めた5年前から、ずっとずっとつきまとっているテーマで、

それに根ざして活動していると、これを始めた当初から今に至るまでに、

私が作るものも、依頼されるものも、だんだんと変わってきていることを実感しています。

「これだけ服が消費、消耗されている今、服を作る事の意味や奥深さに向かうのは、

クリエーターとして、ものを作る人としての自ら負う責任を求めているから」と、

最近ある人に言われて思ったことに、そんな高い意識が私にあるんだろうかと考えていました。

責任を求めているというと、どこか重たいニュアンスを感じることに違和感があるのかもしれません。

実は、私が社会に出るときに、企業で技術職に就くことを決めた理由は、

その時の私にとって1番最良で、楽な選択肢だったからということが、1番の大きな理由なのです。

でも、技術職に依存しすぎると、世間で技術を必要とする衣服が必要なくなったとき、

それはまさに今、そうなりつつあるのですが、今でもどうすればいいのかわかりません。

作るのは楽しい?って聞かれると、楽しいと思おうとしても、素直に楽しくない時もあります。

ずっと作るときは一人きりで、どんな顔しているのかわからないままの作業になることもあるし、

そのまま作業途中で、レッスンに出かけて鏡を見たら固まった顔の自分がいてびっくりすることも(笑)

ただ、経過の中で生じるマイナスもすべて、面白がることは「仕事だから」ということかもしれません。

踊らないという選択肢とともに、作らないという選択肢も私には怖いのです。

そして誰かに何か、もしくは誰かと何か、それが衣服でなくても作るからには、

心地よいと思うもの、美しいと思うもの、美味しいと思うものを

一緒に考えたり、感じたりすることが、最高のことだと思うのです。

それが長く続く、長くて続けたいと思うと、服を作るにしても、

デザイン・パターン・生地・縫製が良いもので、それらをうまく作用させてつくらないと…って思います。

作らないのが怖いから、続けるのだし、続けるからには相手がどうであれ、最高に目が向きます。

最高は主観だから考えて探そうとするときりがありませんが、

万が一にして、最高のものを作り提供し続けられる奇跡的なことが起こるまでは 果てしない道があって、だから仕事が無くなるわけでもなく、作り続ける選択をし続ける気がします。

いつか、その選択をしなくなるほどの何かが私に起こるのか、起こせるのかとも思いつつ。

でも、私が作るものは、高い技術を持ってして作った服かというと、そうではないです。

あくまでも、まだ提供する先にある人とその人の生を、より深いものにして、満たすような、

そのために使うことのできるファッションというツールであることを、提供することで精一杯です。

技術に不足があっても、意識は常にその人のカラダにココロに丁寧に寄り添っている服に向いています。

さて、新しいシーズンに向けて、実は材料を集めていたり、特にサンプルを作ったりしていません。

昨年末から作るものが多くて、こちらの新しいクリエーションを放置しておりました。

なので、しばらくはご依頼いただいた時点で、一緒に素材を探すのもいいかと思います。

今回、弊ウェブサイトは、いくつかのサンプルの写真のみ更新しております。

では、またの機会に。

 
 
 

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