夏至の装いによせて
- Shiori SHIMOMURA
- 2018年7月2日
- 読了時間: 2分
夏至の日に去年の展示会のお客様が、購入してくださったワンピースを着て
発表会に出演する機会に、恐れ多くもご招待いただきまして詣でてまいりました。
お買い上げいただいたワンピースは、かつて試作として作っていたサンプルで、
彼女が展示会の場で試着して、気に入ってくださったものでした。
シンプルな色柄の生地を、すっきりとしたフォルムで作ったドレスだったので、
最初にそんなお誘いをいただいた時、もっと華やかに装うであろう出演者のなかで、
彼女だけシンプルになりすぎるのではないか?と思っていたのですが、
メイクやアクセサリーや靴で、素敵な夏の装いで素敵に踊っていらっしゃいました。
お伺いする前から予想していた通り、華やかに装う紳士淑女ばかりで、
豪華な催しの中でありつつ、彼女はとてもさわやかにドレスを着ていて美しかったです。
後で、ご本人から
「このドレスを手に入れたら、発表会で着たくて出ることにしたの。」と伺って、
どことなく恥ずかしながらも、私の方がちょっとジーンとしてしまったとともに、
彼女のダンスライフを素敵にするお手伝いができたことを嬉しく思っています。
そもそもオーダーで作ったものでなく、サンプルの一つだったのに、
それほどまでの愛着を寄せていただいたことは驚きですし、
正直、ちょっと不思議な気分でもあるのですが、
そんな一着をタンゴと共に大切にしていただき、感謝の気持ちばかりです。
生きている中で「これ」と言える一着に出会えることは稀なことだけに、
今回、私が作ったドレスでの彼女のハレの姿を拝見できたことは、とても貴重な経験でした。
こちらの方が今後の製作に向けての、パワーをいただき、
また次の季節に向けての準備をそろそろと取りかかっています。

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