身をもって体験すること
- Shiori SHIMOMURA
- 2017年9月23日
- 読了時間: 2分
8月末に10月の展示会のご案内のはがきを納品いただき、
9月初めにお世話になった方やお会いできた方などに取り急ぎお届けしてすぐに、
海外出張の為に2週間ほど日本を離れていまして、今夜東京に戻ります。
展示会の前に出張というより、出張のことは半年前から決まっておりまして、
今回の長期出張と次の欧州出張があるであろう間に、
ちょっとあわただしいけれど、自分の個展をやってしまおうとしたら、
都合のよい場所に出会ったので、半ば勢いでギャラリーを予約してしまったのです。
今のお勤め先に通って、もうすぐ2年になる中で、
働き始めた当初は、ヨーロッパに出張で出かけることになるとは思ってみませんでした。
しかも今回の出張の主目的は商談ではなく、展示会や市内の視察だったので、
過去に比べると、東京で服を見に行くような休暇がめっきり減っていることもあって、
長時間、街を歩いて歩いて歩いて、服や布に見て触って着てみることは久しぶりの経験でした。
そして、そのことが本当に楽しかったです。
そういう体感を得た中で、これから個展の当日までの時間を使って、
当初考えていたことはやりきろうと言う気持ちになりました。
実は初めての展示内容が、自分で納得いくかどうかということより、
どれだけ人に何かを残し自分が何かを得られるのか?ということのほうが気になっていました。
私は覚えることが遅いので、新しいものは何回かやり直して作るし、
作る過程では、それなりに時間もお金もかかるけれど、失敗も多いし
自分で考えて選んで作ってものが、本当にいいと思えるまでにはなかなか巡り合えない中、
作って、着て、踊って、考えて、また作ってばかりでした。
けれど、いつぐらいからか「あげたものは忘れてしまう」気質があるので、
自分が服を完成させるまでに、どれだけのことをしたかって、結構忘れています。
そういう忘れてしまったことは、いつも受け取った人から指摘されて、
過去の経験が実感に変わって、私の中に積ってきた気がします。
触れることや作ることを、自分の名前を使ってお見せする場を作ることは初めてです。
やってみて思うのは、個展として成立する品数を作ることは大変ですが、
できるだけインターネットの電波を使わず、身をもって体験する機会を作ろうと思います。
残りの時間は少ないけれど、あせらずたゆまず、当日まで仕込んでいくつもりです。
来月、どうぞよろしくお願いいたします。

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