2周年

製作販売の活動を始めて2年が経ちました。 始めた当初は、先のことは全部目に見えるものではないけれど、 そんなやんわりした中を、まっすぐに疾走するように手を動かすことで、 自分の存在を表現し、他者とコミットしていきたいという気持ちがありました。 その頃、無駄に考える時間ばかりが沢山ありまして、 どんなに楽しく踊っても、どんなに素晴らしい絵画や舞台を観ても、音楽を聴いても、 時々その裏の無意識の中に、ちょこっとした隙間があるような感じでした。 「自分で何かを起こさなければ、死んでしまう。」とも思っていました。 何か目標があるわけでもないけれど、その隙間を埋めるために自分の欲しいものが、 「自分の手で作ったものを届けて、相手を幸福にする」ことだと勘違いをしたのかもしれません。 目線?視点?視野?どれかひとつでも変えていたら、他にも何かあったはずです。 でも、なぜかその勘違いは今でも続いていて、つまり私は当時より幸せに近づいているみたいです。
当初、一番気がかりだったことは、 「自分が作る服のクオリティが受け入れられるのだろうか?」ということでしたが、 それでも「とにかくやってみてから考えよう」と、ひとつひとつのオーダーにこたえてきました。 特に縫製のテクニックに関するそれは、今でも自分の中での課題のひとつです。 また、今のアパレルの状況を見ていると、自分の商品に価格を提示することが怖くなる時があります。 今のところクライアントさんから、私が提示した価格に対して何か言ってきたことはありませんし、 自分としても、こちらが提示した価格を高いと思う人は、無理に買わなくていいと思っています。 でも巷の衣服の大量生産と低価格競争から、服の市場価格に対する一般的感覚は安価になるでしょう。 決して誰のためでもなく、その人だけのために作ったものに対する値段の意味を、 理解していただける方が、これからますます減っていく気がする一方で、 私の商品を選ぶ同世代だったり、それより上の世代の方たちは、そのことを理解している人が多いので、 その存在からは、すごく励まされているし、前を向く意欲をいただいています。 去年、ウェブサイトを作ってから、更新することがそんなに多くなかったけれど、 写真と文章を発信をすることで、日頃、商品や生地の情報を見ていてくださる方が、 思ったより多いようで、サイトを拙く作りながらも、素直に嬉しく思っています。 最初にテキスト翻訳を手伝ってくれた友達と、撮影をお願いしている写真家さんにも感謝しています。
私が作っているものの、カテゴリーやキャパは本当に小さいのですが、 その中だけでも、これだけ多くニーズがあったということが本当に驚きでしたし、大きな発見でした。 本来、私は作るだけのひとで、届けるひと、伝えるひとではなかったのですが、 できることからやってみることに少し広げただけで、沢山のひととつながることができました。
この2年間、特にここ2ヶ月くらいのクライアントさんと製作の背景を通して、 これから自分が進んでいきたいと思う、進んでいくべき方向はおぼろげに見えてきました。 そこにまた、まっすぐに走り抜けるような熱を心に根ざしていけるように、 ただ作るだけでなく、美しいダンスや絵画を観て、音楽に耳をすませて、美味しいものを食べて、 そしてたまには、体が動かなくなるまで踊るなんてこともできればいいと思います。 ひとつの節目として2年目を数えることができて、本当に感謝しております。 クライアントさんがいらっしゃる限り、これからも続けていこうと思っています。 いつもいつもいつもいつも、どうもありがとう。




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