ブランドではないかもしれない。
- Shiori SHIMOMURA
- 2014年9月12日
- 読了時間: 3分
恐れ入りますが、
もう、9月の半ばに入ろうとしているのに、まだサイトは更新できそうにありません(爆)。
さてさて、
服を作っていて、それに関わるウェブサイトを立ち上げると、
「ブランドを立ち上げたんですね」っていうお言葉をいただくのですが、
どうも、私としてはその言葉に首をかしげてしまいます。
ブランドっていうのは、提供する側がその財とか商品とかサービスに対して、
主義とか意思とかをはっきりと世間に対して発信していて、
ほかから出されている、似たような物とはっきりと別の個性を表現していること。
(この表現はWikipediaから持ってきました☆)
そして、私が更に思っていることに、
そのブランドとしての表現を理解している 消費する側から信頼とロイヤリティを集められること。 ロイヤリティ=忠誠心とでもいうのかな。
この二つが成立して、(特に後者が重要) 初めてブランドと言える存在だと思うのですが、
私自身が作っている物は、ほかで作っているものと
明らかに違う物だって言い切れるよりどころがないのです。 ブランドと差別化をする為に商品にロゴやラベルをつける方法もあり、
海外ブランドの中には、パンツのゴムに織り込んだりもしているけれど。 それも日本のブランドでは、ほとんどやらないだろうし売れないでしょうね。
今の私にとっては、自分の作った物にブランドロゴやラベルを付けて、
これは私が作った物です!なんて、あからさまなアピールの必要を感じないし、
自らロゴやラベルを付けるコストを考えてしまうと、
今は100円でも安く作りたいので、なにもつけていません。
自分が作って着ていた服を、そのまま欲しいという人が現れた縁で始めたから、
ブランドを立ち上げたというより、仕立て屋を小さく開業したという方が正しい気がします。
ただ、こうやってあえて自分の時間を費やして、作ろうとしている中で、
あえてこだわり・・・というより常に考えている、考えてしまうことはこんなことです。
現代の女性は服を着るだけでは終わらない。
化粧もするし、髪型も変えるし、
靴も選ぶし、爪も塗るし、
アクセサリーもつけるし、香りもつける。
そんな姿で、仕事もするし、食事に出かけるし、買い物にも映画にも旅行にも行く。
いろんな姿でいろんな場面を楽しんでいるけど、体はひとつだけ。 しかも、私も含めて私の周りにいる女性は踊りに出かけることも
生活の大切な一部としているけど、時間には限りがある。
例えば、 海外では仕事が終わってから出かけるときは、家に帰ってすべてお着替えする。
でも、日本の場合はまだまだ、そういうことがままならない人は多いし
ラップトップやタブレットや電話など、携帯する物も増えているのに、
その上、着替えを持って仕事が終わった後の為に備えることも、
楽しむ為であっても、負担になることは事実だと思うのです。
そんな中で、どんな服がその人を幸せにするのかってことを、 あえて作るからには、自由に考えていきたいのです。
人生一度きりで体は一つなのに、好きな服ばかり着て生きていくことって、
できそうでなかなか、実現しにくいことかもしれないから、
私が作るものを気に入って選んでくれた人には、 着ることの喜びと幸福を共にして、過ごしてくれればって思います。
そうなると自分の主義とか意思は、作るものにあからさまに込めていないのです。
私が作っている服が、夢を与えることができるとは思っていません。
でも、気に入って選んでくれた人が、何度も袖を通して水をくぐらせる服とともに、
わすれられない思い出を育んでくれていたら、本当に幸せです。
今はそんな感じです。

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